大村さんの生家に観光客らで殺到。
大村さんが生家近くに作った白山温泉や韮崎大村美術館には、地元の人たちや観光客らが殺到。
普段は静かな山里は、報道陣や訪問者で終日にぎわった。
釜無川右岸の扇状地にある静かな集落、韮崎市神山町が大村さんの故郷だ。
生家に隣接して本人の自宅もあり、月に1度ほど訪れるという。
近くに住む姉で元教員、山田淳子(あつこ)さん(81)宅には、5日夜から6日にかけて、報道陣が相次いで訪れた。
淳子さんは玄関先にしゃがみ込んで、「子供のころはいたずら者で、勉強も大してできなかった。
受賞は運がよかったのでは」と少し照れくさそうに姉弟の思い出を語った。
子供時代、厳しい農作業を手伝った経験が、粘り強い研究活動の礎になったとされる大村さん。
淳子さんは「田んぼを耕すために乗っていた馬から誤って落ちたこともあった。
当時は勉強どころじゃなかった」と振り返った。
大村さんは小学校のころには、友達とけんかもよくしたという。
「しがみついて、『智、よせし。智、よせし』と必死にとめました。
今でも昔を知る人たちにからかわれるんですよ」と淳子さん。
「やったね。よく頑張ったね。
あとは体に気をつけてずっと研究を続けてほしい」と偉業を成し遂げた弟を気遣った。
「蛍雪寮」大村さんの生家の玄関先に掲げられた看板だ。
北里大の学生の合宿先として、大村さんが提供したのだという。
大村さんは、「故郷の人々の憩いの場、学生たちが汗を流す場になれば」と10年前、生家近くで1500メートルを掘削し、日帰り温泉施設「白山温泉」を作った。
近くには絵画や彫刻のコレクションを集めた「韮崎大村美術館」も併設し、市に寄付している。
「『人のためになれ』というおばあさんの言葉を実践されたのでは」と話すのは、温泉従業員、深沢義文さん。
深沢さんは「先生も訪れるたびに入浴されていますよ。
ここでは仕事の話は一切なし。本当に気さくです。知らない人は近所のおじいさんとしか思わないでしょうね」と話した。
同温泉によると、6日は通常の2倍近い約250人が訪れた。資料;産経新聞
七里岩。