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ちょっくら よっていけし

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私の大事な「時」

私の大事な「時」    元日立物流  宮沢 慶郎

今から17年前の会食の席に海釣りの好きなお客様がいた。
「アイナメ」釣りの自慢話を聞いているうちに、「是非、私も同行させて下さい」と心にもないことを言ってしまった。
その週の日曜日にお客様と常陸那珂港岸壁に初めてのアイナメ釣りに出かけた。
早速、お客様から見たこともない「釣りセット」を貸して頂いた。
釣り竿は柔らかく約4mで、リールは太鼓リールといって木製で平太鼓に糸を巻くような構造になっていた。
 「こんなチャチな道具でアイナメが釣れるのか」と思った。釣りセットの扱いをレクチャーしてもらい何とか慣れてきた。

自分で青イソメを針に刺して一投目を水深6mの海底にユックリと沈めた。
着底と同時にグィグイーと強い引きが釣り糸から竿、そして手先に伝わってきた。
言われた通りにやり取りをしながら、タモ網に魚が入った。
上げてもらうと44cmの大きな「アイナメ」であった。この「感動」が忘れられずにアイナメ釣りにドップリと浸かってしまった。
                                     

教えを頂いた師匠からは、「ライフジャケット着用」「ごみの持帰り」「小魚はリリース」等の安全、環境、マナーを厳しく仕込まれた。師匠ともに大洗港、日立港、大津港、小名浜港等の沖堤防に毎週出かけた。
遠くは青森県の六ケ所村の沖堤防にも数回遠征をした。

近年は、震災の影響、釣り人のマナー違反、当局の安全管理等から茨城県内の沖堤防で釣りができなくなってしまった。 

現在は福島県の小名浜港の沖堤防にしか行けなくなってしまった。
こんな状況と海から遠い単身赴任が7年も続いてアイナメ釣りに出かける回数も極端に少なくなってしまった。
                                          

2013年2月に64歳で退職して11月に再就職した。
昔の釣り仲間から会瀬漁港で船釣りによる「真鯛釣り」の誘いをもらった。
船酔に弱いので丁重にお断りしたが、シンプルな釣りで、アイナメ釣り同様な仕掛けで、釣った真鯛で一杯の誘惑に負け初釣りに出かけた。

釣り船で釣りセット(一つテンヤセット)を借り餌の海老を付けて水深30mの底に落した。
グングンと中りがあり合わせたとたんに、竿が大きくしなった。
仲間の言う通りに巻いたりやり取りをして何とか真鯛を釣り上げた。

17年前のアイナメと同じく今日も、真鯛のビギナズーラックとなった。
初めての真鯛の強い引きと美しい魚体に全身で感動した。
                                     
この後は毎月1、2回程度、感動の時を求めて真鯛釣りに出かけている。
釣り糸を垂らして船に揺られながら、全身で真鯛の中りを待っている間は、時間、仕事、家族等の全てを忘れた集中した時が過ごせる。

現在は道具も揃えて一人でも真鯛釣りに行けるようになった。しかし、一人より仲間との方が釣り自慢もできるし、レクチャーしてもらえるし楽しさが倍増となる。

釣った真鯛は、私が下処理をして妻が料理を担当している。
料理の仕方等で夫婦共通の会話も多くなり、夫婦円満にもなっている。釣った魚での晩酌は、何ものにも変えがたい至福の時である。
これからの目標は、年齢と同じ長さの真鯛を釣ることである。

26年12月の「ぱんぽん誌」の最終号に投稿した、最近の私の近況の報告です。70年近くも継  続した「ぱんぽん誌」も茨城地区の日立グールプの変遷とともに休刊となってしまいました。寂しい限りです。


宮沢 慶郎さんにはいつも原稿を送っていただき感謝しています。有難うございました。

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