

山梨市は30日、20歳以上の市民を対象とした健康診査の一環として、唾液検査を初めて実施した。ライオンが開発したシステムを全国の自治体で最初に活用した。市と同社は約10年前から、森林保全などの活動で協力関係にある。検査により、歯周病や虫歯だけでなく、歯周病で罹患(りかん)率が高まるという糖尿病や心筋梗塞などの予防に役立てる。「健康増進と同時に、医療費の抑制につなげたい」(市健康増進課)としている。
検査会場では、事前に予約した人など約100人が唾液検査を受けた。
蒸留水約3ミリリットルを10秒間ほど口に含み、紙コップに出して提出。検査担当者がこれをスポイトで試験紙に垂らし、機器で計測し、口の中の健康状態を診る仕組みだ。約5分間で測定できる。
検査項目は、歯周病に関係する「白血球」「タンパク質」、虫歯に関する「虫歯菌」「酸性度」「(酸の)中和機能」、口内の清潔度を測る「アンモニア」の6項目。
ライオンの安達宏・事業育成担当部長(医学博士)は、「歯茎が腫れたり炎症を起こすとタンパク質、出血があれば白血球が増える。虫歯菌が多かったり酸性度が高かったりすると虫歯になりやすい」と説明する。また、「口の中に菌が多いとアンモニアが多くなり、口臭の原因になる」という。
歯周病患者の糖尿病の罹患率は約2倍、心筋梗塞も男性で約2倍と高い。 資料;産経新聞
JR中央線山梨市駅


